突然ですが『香害(こうがい)』をご存じですか?
香水や柔軟剤、香料入り合成洗剤、制汗剤、芳香剤等の日用品の香り成分で、頭痛や吐き気などの様々な体調不良が起きることです。
人によって症状は様々で、個人差もありますが、化学物質過敏症の原因にもなりうるそうです。
わたしは数年前に香害という言葉をネットで知りましたが、その当時はまだ身近な問題だと認識していませんでした。
時々ですが、
・コンビニで買ったシュークリームの袋がフローラル臭で、触った手にまで付いてくる
・すれ違う人の柔軟剤のニオイが強いと感じる
・職場のホコリ取りをしていたら、ホコリが柔軟剤のニオイになっている
等を感じる程度でした。
ところが、昨年(2023年)頃から、
・コインランドリーの排気が柔軟剤くさい
・外出すると、無香料シャンプーで洗った髪が柔軟剤のニオイになっている
・スーパーやコンビニで買う食品のパッケージに柔軟剤のニオイが染み付いている
・数十メートル先に居る人の風下に居るだけで、柔軟剤のニオイが漂ってくる
・自分や家族が使っている日用品のニオイがきつく感じる
等を徐々に感じるようになりました。
そこで、旧Twitter(現X)を「柔軟剤 くさい」「香害」などで検索すると、同じように感じている人が大勢居ることが分かりました。
また、柔軟剤に配合されているマイクロカプセルという成分が洗濯する度に衣服の繊維にくっつき、それらが徐々に弾けて、香りが長続きしているという情報は元々持っていたのですが、抗菌・消臭洗剤にもその技術が使われていると知り、愕然としました。
どおりで、初めは柔軟剤のフローラル臭に感じていたものが、最近は抗菌洗剤と思われるミント系?のニオイを多く感じるようになりました。
どちらも、わたしにはとても不快なニオイです。
マイクロカプセルについては、以下の記事に画像も載っているので、ぜひご覧下さい。
見て、どう感じましたか?
柔軟剤 香りで体調不良の相談増加なぜ?マイクロカプセルが… | NHK | WEB特集
わたしの場合
あまりに強いニオイに遭遇したり、成分を直接吸い込んでしまうと、
・脱力感
・頭がボーッとする(集中力低下)
・くしゃみ、鼻水が止まらなくなる
・喉のつかえ
・首のリンパの腫れ
・極度のイライラ
等の症状が出るように。
症状が出始めてからの、約3ヶ月間は、柔軟剤や抗菌洗剤のニオイが移香した自分の髪や服のニオイを嗅いでは、一人で「くさい!ふざけんな!💢😠💢」とぶちギレていました。
(※周りに人が居ないところで)
一生分、「くさい!」と言った気がします。
(今も移香したパッケージを感知しては、「くっさ!💢」と言ってしまう)
今まで生きてきて感じたことの無い、強いイライラを感じて、このまま何らかの病気になるのでは?と思うほどでした。
TVを見ながら柔軟剤や洗剤のCMが流れる度に顔をしかめて、般若のような顔になるので、家族から「顔がこわいよ」と言われることもありました。
一通り、怒りを感じきったのか、今はほぼ"凪"で、以前のように激しくイライラはしなくなりました。
ですが、静かな怒りのようなものはあります。
「いい加減にしてくれ」という気持ちは、常に持っています。
これは、ユーザーにではなく、マイクロカプセル技術を使った柔軟剤や合成洗剤を製造・販売し続けているメーカーに対してです。
なら、「メーカーに直接ご意見を入れたら良いのでは?」と思われるかもしれません。
そちらに関しては、メーカー各社のお客様相談窓口へメールを送ったり、オンラインでの香害署名活動に参加しました。
ですが、製品を安全性を主張されるばかりで、マイクロカプセル使用の中止には至っていません。
全ての製品を無香料にするのは難しくても、せめてマイクロカプセル技術を使うのをやめてくれたら、香害はここまで酷いことになってはいないと感じています。
安全な成分を使用しているとメーカー側は主張していますが、例え「安全」だったとしても「化学物質」にはかわりないでしょう。
PM2.5や黄砂や花粉を気にされる方は多いと思われますが、日用品である柔軟剤や洗剤を使うだけで、衣服からPM2.5相当か、それより小さな化学物質が発生し続けている事を知っていただければと思います。
「マイクロカプセル 製品」で検索すると、製品一覧をまとめた画像がヒットしますので、気になった方は検索されることをおすすめします。
また、マイクロカプセルを含まない製品も合わせて検索されてみてください。
意外とたくさんありますよ。
香害については、自分が柔軟剤や洗剤のニオイを強すぎると感じ取れないと、なかなか自分事として考えにくいのかな?と、わたしは思います。
それだけ、世の中には香料入りの製品があふれています。
常用していると、嗅覚疲労を起こすでしょう。
しかも、リニューアルする度に香料がキツくなっていると感じます。
一体、何のために?
香りの感じ方は人それぞれだと言いますが、マスクをしても防ぎきれませんし、鼻栓をし続けることも出来ません。
全く人と関わらずに生活することも不可能です。
喫煙室のように、ユーザーと非ユーザーの空間が仕切られていれば、まだマシですが、香りブームの現在は完璧に避けることが困難です。
しかも、マイクロカプセル技術によって、新鮮な香りや成分のまま、外出しただけで、衣服や持ち物、商品、通販の段ボール箱等、ありとあらゆる物にくっついて、自宅まで付いてきてしまいます。
近隣に洗濯物が干してあれば、ベランダや窓、換気扇から侵入してきます。
そして、不快なニオイが長く留まってしまうのです。
マイクロカプセルは目に見えないので、完全に除去するのが難しいです。
「自分は気にならないから大丈夫」という方や、ユーザーも、化学物質を吸い込んでいる事にかわりはありませんので、誰にとっても良くない物だということが伝われば良いのですが…
香害は、みんなの問題だということを知っていただければと思います。
香害やマイクロカプセルについて認知がもっと広まり、問題が可視化され、国やメーカーも無視出来ない状態になることを願います。
呼吸は生命維持のために必要不可欠で、侵されてはならないものだと思います。
きれいな空気を当たり前に吸うことが出来る事が、どんなにありがたいか実感するようになるとは思いませんでした。
メーカーや国が対策や規制をしてくれる事を待つばかりでは、何十年かかるか分かりません。
その前に、気付いた人からマイクロカプセル入りの製品や香りの強すぎる製品を買わない、使わない事が、香害を減らすことに繋がるとわたしは信じています。